アルプスの山並みを横目に


女の一人旅なもので、空港宿泊(空港のベンチなどで一晩明かす)はなるべく避けようと思っていたのですが、安い航空チケットは夜中に到着する便や早朝に離陸する便が多いのですね。LCCがとくにそうですが。

今回も例に洩れず夜に到着する便だったことと、物価の高いスイスにわざわざ短時間だけ宿泊するのは痛手だったので、空港に留まりました。

世界の空港を空港泊という視点でまとめているサイトがあり、それによるとチューリッヒは大丈夫そう!と思って決めました。

ちなみに、そのサイトの2015年 Best Airports for sleepingで我らが羽田国際空港は第7位でしたよ~。

一人でぽつんと寝るのは寂しいし何より危険ですので、空港泊組が多そうなベンチを探します。

男の人ばかりだと、それもまた何となく不安なので、できれば女の人もいる場所がいい。

人通りが少なすぎると置き引きに合う危険が高まりますし、人通りが多すぎるとくつろげないですし、また、ベンチは横になって足をのばしやすい手すりのないものが望ましいのでそういうものを探します。

ついでにトイレの位置を確認し、wi-fiの有無を調べ、24時間営業のお店やATMがあるのか調べる・・・空港泊は意外に忙しいのですよ(笑)

近くに韓国人のグループがいる良さげなベンチを発見。ちょっとうるさめだけど静かすぎるよりは安心。

いくら静かな場所で快適なベンチがあってもさすがに熟睡はできませんが、空港好きなわたしにとって空港泊はあまり苦でないのです。

この日もうとうとしながら横になってると、いつの間にか韓国人グループはいなくなり、だんだんと行き交う人が増えてきた。

こうしてなんとなく一夜が明けました。

 

ところで、スイスはユーロが使えると思っていたのですが、周囲の人を伺うとどうやら違う紙幣を使っている。

スイスって通貨はなんだっけ??いくら両替すればいいの??などプチパニックになっていましたが、流通しているのはスイスフランとユーロの両方で、換算すると若干スイスフランの方がお得らしい。

それを考慮しても、やはり物価が高い。

さっきまでいたエストニアやラトビアと比べると、冗談かと思うほどのコーヒーの値段。

日本と比べるとやや高めくらいの印象かもしれませんが、長期バックパッカーにはつらいレベル。

空港の中にあるスーパーでオレンジジュースと小さなパンだけ買って食べて、そそくさとスイスを後にしました。ひもじい・・・。

 

スイスやオーストリアはどこでも英語が通じるので、全然不自由しませんでした。

唯一、チューリッヒ空港から電車に乗るときのチケットを買う際、チケット売り場には機械が置いてあるだけでスタッフがおらず、電車がどういうシステムなのか、どのチケットを買えばいいのか困ったことはありました。

このチューリッヒ空港駅、改札がないんですね。

チケットを売る機械が置いてある場所から、そのすぐ横にある階段で地下へ行くと、そこがもうプラットフォーム。

空港から市内までの電車に乗ると、2~3駅で着いて乗車時間は10分程度。駅員が車内でチケットをチェックしに来ることもありませんでした。

そして市内のチューリッヒ中央駅でもチケットチェックをする人がいないんです。

つまり無料で乗れてしまうじゃないか、というシステムなんです。

これはスイスに限らず、オーストリアなど他の国や日本のワンマン運転の電車、野菜などの無人販売でもそうですが、そういうとき、物事というのは性善説で成り立っているのかなと思います。

人間というのは生まれつき善であり、ルールは守るだろうという前提で成り立っている。

その信頼度合というのはすごいなぁ。

 

チューリッヒ中央駅からは隣国オーストリアのフェルドキルヒという町へ向かいます。

ここにはオーストラリアのワーホリでお世話になったエージェントのAplacを経由して知り会ったさよちゃんがいます。

メールでは連絡をとっていたけれど、実際に会うのは初めて。

緊張とか不安よりも、信頼できるひとが迎えてくれるのだという大きな安心感を感じた。有難いです。

オーストリアへ向かう車窓では、これまで中国からモンゴル、ロシアや北欧などで見た景色とは全然違う、アルプスの少女ハイジで見たような、雪の積もった尖った山頂が連なる景色を見ながらの移動でした。

その山々を背景にした湖のある風景、家や教会のある風景など、どれも本当に美しい。まるで絵葉書か写真集。

(見とれ過ぎて写真が無い・・・)

急に「自分はいまずっと憧れていたあのオーストリアへ行くんだな」と実感して、静かに感動していました。

すべてが、美しく洗練されて見える。

車窓からの景色に全く飽きることなくすぐに目的地に到着。

 

改札口へ向かうと「Tsubasaさん WELCOME」のかわいくて暖かい文字の紙を持った、穏やかな笑顔のさよちゃんとゴビンダが待っていてくれました。