【ルーマニア】北部の町ビシュウ・デ・ススでもらった優しさの葡萄と念願の蒸気機関車

実は旅の出発前からちょっと気になっていて、密かに行く機会を伺っていたのがビシュウ・デ・ススという小さな町。

そこには現役の蒸気機関車に乗れるんです!!そのため(だけ)に行きます。

ルーマニア北部のこのあたりは、交通手段が限られるので機関車は半分諦めていましたが、バイアマーレまで来たなら行ってみよう。

ビシュウ・デ・ススはバイアマーレよりに更に小さい町。

町の中心の道路を現役の馬車が通るのどかさ。

日本人は珍しいらしく、ルーマニアの民族衣装を着た家族連れに遠くから声をかけられて手を振られたり、子供たちが「ニンジャー!!!」と言って駆け寄ってくるような町。

どこに行っても「ニーハオ♪」と声をかけられることが増えてたので、「ニンジャー!!」はなんか嬉しかったな。

1人用の安いドミトリ―があるホステルなどはないので、地元の人が週末に遠出しに来るようなペンションNAGYというところに泊まります。

先ほどの中心の道路から脇道へ入り、民家が並ぶ通りを進みます。

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そこは家族で車旅行をするような客へ向けたペンションなので、バス通りから遠い。覚悟していたけれどやっぱり遠い。

重いバックパックを背負って、このあたりの人はドイツ語を話す人もいるのでそれを耳にしながら(ルーマニア語とあまり区別はつかないけど)歩く歩く。

目印となるような店はないので各民家の門についた番地を頼りに進むけれど、不安になってきた。

ある民家の前で地図を確認していると、中からおばあさんが出て来てわたしに何か話してまた家の中へ戻って行った。

「??」

このへんの地図かなにかを持ってきてくれたのかと思ったら、かわいらしい笑顔とともに戻ってきた手にはたくさんの葡萄。

これを持っていきなさい、うちで作ったの、というようなことを言っていたのだと思う。

迷ってたわけでないし、すごく心細かったわけではないのに、その純粋な優しさが嬉しくて、葡萄が美味しくて、素直に涙が出る。

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例のペンションの住所を見せると、今いる道をまっすぐに進めばある、とのこと。間違ってなかった。

葡萄を食べながらご機嫌に更に進んでとうとう到着。

遠かった!けど頑張って歩いてよかったな。

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今日は豪華に一人部屋です。

メインイベントの蒸気機関車に乗り遅れてはいけないと思い、チェックイン後に乗り場まで下調べ。

ペンションまでの道より更に細い、舗装されていない田舎道を進む。

さて、楽しみにしていた蒸気機関車ですけども、

それはそれは素晴らしくて、車内のストーブがレトロでいい雰囲気だし、木が燃える匂いがして、機関車の蒸気を出す音が山に響き渡るいいものでした~。

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帰りは来た道を引き返すのですが、ご覧の通り先頭の薪をくべる車両は後ろ向きで走って帰る。驚き。

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チケットにはランチがついています。みんな同じホットドッグを山の中で食べる。

満喫したけど、乗客はわたしを除き100%ルーマニア人の家族連れかカップルのみだったもので、疎外感が半端なく、寂しさを感じる思い出となりました。

楽しかったですけどね。友達がいればもっと楽しかっただろうなーと。

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旅の目的をまた一つ達成して、今度はウクライナとの国境に近いシゲット・マルマトゥエイへ向かいます。