優しさの葡萄と蒸気機関車


実は旅に行く前から調べておいて、密かに楽しみにしていた現役の蒸気機関車に乗るため(だけ)にビシュウ・デ・ススへ行きます。

以前も書いたようにこのあたりは観光手段が限られるようなので機関車は半分諦めていましたが、ここまで来れたなら行ってみよう!

その前に、バスの発車時間までは時間があったので、せっかく来たバイアマーレを歩くことに。

調べてみると野外村落博物館があるので行ってみました。

以前から岐阜の白川郷に行ってみたいわたしにとって、大きな茅葺きの家をルーマニアで見れたのは面白い経験でした。

家の中は広くないですがとっても可愛いんですよ。

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赤を基調に緑色や黄色などの刺繍が入った布と、賑やかな彩のお皿を壁に飾り、木製の家具やベッドにはカラフルに織られたファブリックがかかり、それらが所狭しと並んでいました。

現在も同じような家に住む人は少ないでしょうけれど、家族が寄り添って暮らす姿が想像できてあったかい気持ちになる。

考えてみると遠く離れた日本の民家も似たような造りだし、同じことが言えますよね。

だからちょっと懐かしい感じがするのかな。

 

前夜に感じた恐い町の印象とは反対に、人のまばらな昼の町は天気も良く、ゆったりしていて気持ちがよかった。

前日に下見しておいたバスターミナルへ行き、無事に目当てのバスに乗れました。よかった。

ビシュウ・デ・ススはバイアマーレよりに更に小さい町。

日本人は珍しいらしく、ルーマニアの民族衣装を着た家族連れに遠くから声をかけられて手を振られたり、子供たちが「ニンジャー!!!」と言って駆け寄ってくるような町。

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1人用の安いドミトリ―などはないので、地元の人が週末に遠出しに来るようなペンションで豪華1人部屋に泊まります。

そこは家族で車旅行をするような客へ向けたペンションなので、バス通りから遠い。覚悟していたけれどやっぱり遠い。

重いバックパックを背負って歩く道には民家が並び、このあたりの人はドイツ語を話す人もいるのでそれを耳にしながら(ルーマニア語とあまり区別はつかないけれど)歩く歩く。

目印となるような看板や店はないので各民家の門についた番地を頼りに進むけれど、不安になってきたのである民家の前で地図を確認していると、中からおばあさんが出て来てわたしに何か話してまた家の中へ戻って行った。

「??」

このへんの地図かなにかを持ってきてくれたのかと思ったら、かわいらしい笑顔とともに戻ってきた手にはたくさんの葡萄。

これを持っていきなさい、うちで作ったの、というようなことを言っていたのだと思う。

特別迷ってたわけでないし、すごく心細かったわけではないのに、その純粋な優しさが嬉しくて、葡萄が美味しくて、素直に涙が出る。

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例のペンションの住所を見せると、今いる道をまっすぐに進めばある、とのこと。間違ってなかった。

葡萄を食べながら鼻歌混じりで進んでとうとう到着。遠かった!けど頑張って歩いてよかったな。

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泊まったペンション。豪華朝ごはん付♪

 

さて、楽しみにしていた蒸気機関車はそれはそれは素晴らしくて、車内のストーブがレトロでいい雰囲気だし、木が燃える匂いがして、機関車の蒸気を出す音が山に響き渡るいいものでした。

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駅兼インフォメーションセンター

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けれど、乗客はわたしを除き100%ルーマニア人の家族連れかカップルのみだったもので、どうにも疎外感が半端なく、寂しさを感じる思い出となりました。

楽しかったですけどね、友達がいればもっと楽しかっただろうなーと。

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帰りは来た道を引き返すのですが、ご覧の通り先頭の薪をくべる車両は後ろ向きで走って帰る。驚き。

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旅の目的をまた一つ達成できて満足し、今度はウクライナとの国境に近いシゲット・マルマトゥエイへ向かいます。