モスクワ到着は朝の6時。到着した!モスクワだ!と感動も束の間。
我ながら無計画だったなぁと思うのですが、モスクワに到着した時点で、その日の宿も決まっていなければ、どこにどの観光場所があるのか、交通手段は何があるのか、モスクワについて全然調べていませんでした。
シベリア鉄道移動中はインターネットがなかったもので・・・
早速駅の近くにあった24時間営業のレストランに入り、ウランウデで会ったアンドリエが紹介してくれた人にメッセージを送ったり、宿を調べたり、地図をダウンロードしたりとフル活動。
そのレストランはお酒も飲めるようでしたが、朝6時から結構な数の人がビールを飲んでいたのはちょっとしたカルチャーショックでした。
それと、首都にある主要駅の近くだというのに全く英語が通じないことも意外でした。数字とか「wifi」という単語すら通じない。
モスクワについて地理と移動手段を調べていると、モスクワは地下鉄が発達した都市だと(今更)知りました。
地下鉄はいくつもの路線が複雑につながっているので、乗り換え情報などを検索できる「Yandex.Metro」というアプリがとっても役立ちます。
見つけた宿への移動も地下鉄を使用するようなのですが、そこで新たな事実が発覚。
実は鉄道にも地下鉄にも「モスクワ駅」というのは存在しません。
これがとてもややこしいのですが、モスクワの鉄道駅には方面別に9つのターミナル駅があり、同じモスクワ行きの電車でも、どの方面から来るのかによって停車駅は変わります。
では、わたしが今いるこの駅はなんという駅なのか?
シベリア鉄道は「ヤロスラフスキー駅」という駅に停車、または発車します。駅にはただ「モスクワ」としか書いてないのに・・・
今いる場所がわかったものの、今度は最寄りの地下鉄駅(これは鉄道の駅名と同じ名前、ヤロスラフスキー駅)の入り口が見つからない。出口は見つけたけれど、一方通行なのでここからは入れない様子。
うろうろ探し続けて、同じところを出たり入ったり、階段を上ったり降りたりしてやっとやっと見つけた地下鉄入口は、暗いし、看板はないし、表示もないしで見つかるわけがない!
しかし、そんなモスクワの地下鉄は、美術館さながらの美しさであることが有名で、地下鉄駅を巡るツアーがあるくらいです。
本当に美しい。
そしてとても地下深くにあるらしくて、どの駅もエレベーターが異常に長い。
英語表記がとても少なく、わたしにとってキリル文字は記号にしか見えなかったので、停車駅の名前を確認するだけでも一苦労でした。
なんとか目的の駅で降り、ひとしきりうろうろしていたら、宿のスタッフが道で声をかけてくれたので助かりました。
ロシアのバックパッカー宿(安宿)はビルの中の一室にあることが多く、外に大きな看板やサインがないことが多いんです。(恐らく違法営業だろうなと後から気付いた)
その後チェックインまで散々待たされ、シャワーの排水がものすごく悪くて、居心地はそれほど良くなさそうだったけど、それよりもモスクワの町に早く触れたくて、荷物を置いて早速町歩きへ出かけました。
宿の近くにある観光客で賑やかなアルバート通りへ。
お土産屋さんやレストランなどが立ち並び、似顔絵書きがやたら多くスタンバイしています。
しばらくすると、アンドリエの紹介で連絡したワーリャからメールの返信があり、すぐに会えることになりました。
ワーリャは東京外国語大学で留学をしていたので、日本語が堪能で日本文化にも精通していました。(古文を読んで論文を書いているくらい)モスクワで日系の会社で秘書兼通訳として働いていましたが、つい最近退職したので時間に余裕があるとのこと。
話をしていくうちに、モスクワ滞在中は彼女のアパートに泊まれることになりました。地元の人の生活空間に滞在できるなんてすごく嬉しい!本当のロシアが見える気がします。
ワーリャのアパートがこちら。アパート・・・・?ていう規模。モスクワではこれが普通らしい。
日本から遠く離れ一人も知り合いがいなかったモスクワで、あたたかくて静かな部屋の快適なベッドにゆったり横になっているのは、すごく幸運だったと思うと同時に、これは必然であったようにも思える不思議なしっくり感とともに眠ったのでした。