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*旅行の計画にあたっては、現地のコロナウィルス状況を十分確認したうえで計画しましょう。自分と周囲の安全を第一に。メキシコは逃げませんので!*
日本から直行便でも13時間弱かかる地球の裏側に近い国がメキシコです。
陽気で明るい人たちとまぶしい太陽が輝くイメージがあってその通りではありますが、もっと多彩で、歴史も文化も地域性も奥深い国です。
気軽に行ける距離ではないけれど、その分日本との違いが際立ち、異国をたっぷり感じられます。
日本人にも馴染み深いタコスを始めとして、メキシコ料理はどれも美味しいし、世界遺産も多い有数の観光地です。
そんな見所たくさんのメキシコの魅力をお伝えします!
まずはメキシコについて知ってみる
首都のメキシコシティはメキシコの真ん中やや下あたりに位置しています。
標高2300mという富士山の五合目と同じ高さにある都市なので、到着した日は軽い高山病になったりします。
メキシコシティの初日、階段の上り下りでやたら息が切れるし疲れやすいなぁと思ったら、あれは恐らく高山病だった…。初日はゆったりしたスケジュールがいいです!
太陽のピラミッド、月のピラミッドがあるテオティワカン遺跡へはメキシコシティから行けます。
メキシコシティから北西に5時間、グアナファトは小さな町ですが町全体がカラフルな可愛らしい町。世界遺産にも登録された町を見下ろす景色は必見です。
グアナファトから更に西へ行ったところには、メキシコ第二の都市グアダラハラがあります。ここからテキーラへ工場見学ツアーなどにも行けます。
メキシコシティから今度は南へ向かうと、可愛らしい刺繍の入ったカラフルな民族衣装を着る人が増えます。
オアハカやサンクリストバル・デ・ラス・カサスなど、コンパクトだけど味のある街並みをのんびり楽しめる町が点在します。
メキシコの東端にあるリゾート地がカンクンです。ハネムーンで訪れる人が多いので有名ですよね。
カリブ海を豪華なホテルで満喫したり、日帰りツアーでセノーテという天然の泉やピンクラグーン(塩湖)へも行けます。
おぉぉ、メキシコ行ってみたい!と思ったでしょう?
けどやっぱり心配なところもありますよね。とくに治安と言葉について気になる人も多いかと思います。
メキシコ旅行の不安点① 治安
メキシコの危険なイメージは、ギャングがいることだったり、アメリカとの国境付近の治安の悪さではないでしょうか。
どの国でも言えることではありますが、やはり絶対に安全とは言い切れません。海外であっても日本であってもトラブルに巻き込まれる可能性は常にあります。
警戒することは大事ですが、やたらに怖がるのでなく、危険なエリアの情報を集めてそういう場所には近づかないようにすること。シンプルですけどこれが第一です。
私が旅行に行った時は、アカプルコには絶対に近づくなと言われました。(ギャングの抗争がある地らしい。上記リンクでも危険レベルが高いエリア)
メキシコシティの中でも治安が悪いエリアがありますので、そういう場所に宿を取らないようにしたり(最初の数日うっかりそういうエリアに泊まってしまった汗)、一人で歩かないようにすること。
バスで移動する際は多少金額が高くても、なるべく等級の高いバスを利用しました。
暗くなったら人の多い場所を歩いたり、荷物の管理を徹底したりと、自分の身は自分で守ることを忘れないようにしましょう。
そういったリスクの多いことや場所を避けていれば、私は特に怖い思いをすることはありませんでした。
メキシコシティの地下鉄も常用してましたし、屋台で食事をしたりもしましたが、トラブルには遭いませんでした。(あくまで私の場合の体験談です)
メキシコ旅行の不安点② 言葉
メキシコシティとカンクンは旅行者が多いので英語を話す人が他の都市と比べて多いですが、メキシコ全体では英語はほぼ通じません。
なのでスペイン語が話せれば、だいぶスムーズに旅行できます。
が、メキシコ人は親切で根気強くこちらの意図をくみ取ろうとしてくれる人が多いので、「どうしようもない!」て場面はありませんでした。
スペイン語の数字と簡単な挨拶くらいは必要に駆られて覚えましたが、あとは身振り手振りでなんとかなります。
話しかけてくれても会話ができないのはもどかしかったですが…
逆に言えば、英語に自信がなくてもなんとかなる!です。英語が母国語の国よりむしろ開き直ってリラックスできるかも笑
それでは早速メキシコの魅力を四つの視点からご紹介しましょう。
メキシコの魅力を知る視点① 豊富な観光資源
メキシコで外せない、世界遺産でもあるマヤ文明の遺跡
最も有名なマヤ文明の遺跡は「チチェン・イッツァ」。リゾート地カンクンから車で3時間の場所にあります。
シンボル的に有名なのはエルカスティージョと呼ばれる、マヤの最高神ククルカンを祀るピラミッドです。
北面の階段の最下段にククルカンの頭部の彫刻があり、春分の日・秋分の日に太陽が沈む時、ピラミッドは真西から照らされ階段の西側にククルカンの胴体(蛇が身をくねらせた姿)が現れ、ククルカンの降臨と呼ばれている。
Wikipediaより
こちらがそのククルカンの彫刻。
時期的に私は見れませんでしたが、その神秘的な降臨の姿を見てみたい!
これはツォンパントリという髑髏の台座。
そのちょっとコミカルにも見える彫刻とは裏腹に、生贄の頭蓋骨を置いていた場所です。
メキシコシティから行ける、世界最大の宗教都市遺跡「テオティワカン」もマヤの重要な遺跡です。
大きな太陽のピラミッドには頂上まで登れます。
奥には月のピラミッド、その正面に続く南北5㎞にわたる死者の大通りを中心にぐるりと見渡すことができます。
死者の大通りには土産物売りの人が炎天下の中元気に商売していて逞しい。
木影がほとんどない遺跡なので、暑さ対策をしっかりして見学してくださいね。
続いてジャングルに埋もれていたという「パレンケ遺跡」。こちらも古代都市遺跡で世界遺産に指定されています。
テオティワカンと違って周囲に緑の多い遺跡です。
ここはパカル王の墓から発掘された翡翠の仮面が有名で、現物はメキシコシティの国立人類学博物館に実物大の墓を再現して展示してあります。
遺跡の敷地は広大で、見応えたっぷりです。
カリブ海の美しいビーチ
ビーチといえばカンクンですね!
ビーチ沿いに建てられた数々のリゾートホテルから出ると、目の前に広がるのは穏やかで美しい海です。
透き通る青い海と長く続く白い砂浜は、ちょっと信じられないほど美しい。
ホテルはオールインクルーシブという、滞在、食べ物、飲み物、施設使用などすべてが含まれた代金なので、滞在中は財布要らずで食べ放題、飲み放題、プール入り放題なわけです。
日本から遠く離れたカリブ海を心ゆくまでリラックスして楽しめます。
大衆芸能格闘技ルチャリブレ
ルチャリブレとはメキシコスタイルのプロレスのこと。
派手な覆面を被ったヒーローと、覆面をつけない悪役とが対決する、パターンが決まったエンターテイメント。
試合の結果が分かり切っていても、熱く楽しめるのがルチャリブレであります。
メキシコシティの「アレナ・メヒコ」の会場では、試合開始前には覆面を始めとしたルチャリブレグッズがたくさん売られて賑やかです。
プロレスがよくわからなくても、その雰囲気を楽しめますので、メキシコ人に混ざって盛り上がっちゃいましょう!
チケットは会場のアレナ・メヒコ入り口で売っていますが、ダフ屋も出回っています。
確実に安全に席を抑えたい方は現地オプションツアーの利用も手です。
メキシコ壁画運動
メキシコ壁画運動とは、
1920年代から1930年代にかけてメキシコ革命下のメキシコ合衆国で起こった絵画運動である。革命の意義やメキシコ人としてのアイデンティティーを民衆に伝えることが目的であり、そのため個人所有でなく誰でもいつでも見ることのできる壁画が主な媒体に選ばれた。
Wikipediaより
文字が読めない人でもわかるように壁画を用いたという意味合いもあるそうです。
メキシコシティの国立宮殿に代表的な作家の一人、ディエゴ・リベラの作品があり、スペインによる征服や戦争、革命の様子が描かれています。
有名な壁画は言うまでもなく必見ものですが、メキシコのどの町にもストリートアート(にしてはハイクオリティな)のような作品が溶け込んでいます。
真っ青な青空に映えるカラフルな色使いが明るい気分にさせてくれますよね。
メキシコの町歩きの魅力のひとつになっています。
メキシコの魅力を知る視点② 料理と飲み物
何といってもタコス!
メキシコ料理の代表がタコス。
日本人が想像するタコスは、おそらくアメリカ産のタコスで、コーンチップスみたいなパリッとしたU字型になった生地に野菜と肉を挟めるものではないでしょうか?
本場メキシコのタコスは小さな円形の柔らかい生地に具材を挟みます。
路上の屋台では、円形の鉄板でいろんな種類の肉が美味しそうに焼かれています。牛、豚、チョリソー、羊など様々で好みで選べます。
肉汁に浸されながらじっくり焼かれた小さい玉ねぎが、また絶品…!
自由にかけ放題できる玉ねぎ、種々のサルサ、コリアンダー(パクチー)、ライムが必ず設置してあって、メキシコ人たちはたっぷりかけて食べます。
間違いなくビールと合うのですが、屋台ではお酒は売ってません。残念。
こちらはレストランで頼んだ肉ミックスみたいなセット。手前右側のクリーム色の丸い入れ物にトルティーヤが入っていて、それで巻いて食べます。
メキシコ版手巻き寿司的な感じ。
右側にあるトッピングはサルサや玉ねぎ(コリンアンダー入り)、ライムが並んでいるので好みの味にして食べます。
私はコリアンダーは苦手なんですが、肉との相性は抜群でちょっとだけ美味しいなと思いました。(好きな人はごっそり入れると美味しいらしい)
メキシコ料理は日本人の舌に合う
タコスのイメージが強いメキシコ料理ですが、実は多彩でいろんな料理があります。
サルサやライムなどの後から付け足す調味料で辛さや味を調整するので、辛さが苦手でも大丈夫。自分好みに調整できます。
そのためか、基本の味付けはそれほど突飛なものはなく、概ねマイルドで食べやすく日本人の舌に合います。
食材としてはトウモロコシや豆、チーズ、アボカドがよく使われますし、サボテンも食べます!
トウモロコシはトルティーヤやタコスの材料として加工して使われたり、スープの具材になったり様々で、広く食べられています。
メキシコの食卓に欠かせない、フリホーレスというインゲン豆の塩ゆでをつぶしたペースト状の物も、料理によく添えられます。
メキシコシティより南部にあるオアハカという町はチョコレートが名物で、鶏のチョコレート煮込み「モーレ」が有名です。
モーレソースには種類があって、これは(確か)赤モーレソース。
オアハカのマーケットには味噌みたいにモーレソースの素が売られてて面白い。
味は、ほんのり甘くてチョコレートの苦みが残る感じ、ですかね。好みは別れそうですが私は好きでした。
テキーラ(メスカル)が有名だけどビールもね
テキーラはアガベという多肉植物からできたお酒です。テキーラの町には工場見学のツアーがたくさん出てます。
周辺にはアガベ畑が広がります。
このアガベを掘り起こして、葉を落とした部分を蒸し焼きにして蒸留します。
パイナップルみたい。
テキーラはぐいっと一気に飲むイメージでしたが、熟成されたウィスキーのような香りを持つテキーラもあって、ゆっくりちびちび飲むそうです。
テキーラも有名ですがビールの種類も豊富で、クラフトビールを出すお店もあるので、好みの味を探すのも楽しそうですよね。
メキシコの魅力を知る視点③ 雑貨天国
実は雑貨天国のメキシコ代表はメルカドバッグ
夏には日本のお店の店頭にも並ぶ、耐水性の丈夫なバッグ。
メキシコではおばちゃんたちがたくさんの食材をがしがし入れて使う、普段使いの買い物バッグでメルカドバッグと呼びます。
普段使いなので安くて(大きいバッグで2000円くらい)色んな柄と色、サイズがあってすっごく目移りします。買って帰るには嵩張るのでそんなにたくさん買えないし…!
という幸せな悩みを是非体験してください。
薄暗いマーケットの中で、不愛想な店員さんがやる気なく対応してくれます笑
買い付けっぽい欧米のおばさんもいたので、やっぱり人気なんですね。
カラフルで細かい刺繍の服や雑貨
メキシコの各地の伝統衣装は独特でかなり素敵です。
民族によって、その地の気候や伝統、文化が反映されていて面白い。ちょっと田舎に行くと、今でも普段着として着られていました。
観光客向けの刺繍商品はそれほど安くはないですが、手縫いで(全部がそうとは言い切れないでしょうけど)作られていて見事です。
ピアスやポーチ、かばんなどの小物もあるので、自分へのお土産にいかがでしょう。
メキシコと言えばドクロ柄
「リメンバーミー」や「007」でも舞台になった、死者の日のパレードは有名ですね!
各地にクラフトマーケットや土産物を扱うお店があり、様々なドクロ柄のグッズが売られています。
メキシコらしい独創的な色合いと模様がかわいいですよね。
メキシコの魅力を知る視点④ 人柄と国民性
陽気でノリがよくて親切
英語が通じない場合がほとんどのメキシコでも、陽気に何とか対応してくれるのがメキシコ人。
屋台の前を歩けば「食べてけよ~」って感じで声をかけられたり、朝食を食べてたら「俺はルチャドール(ルチャリブレの男性レスラー)だったんだ。」と話しかけてきたり、あるいは、指差しながらの質問にはにかみながら答えてくれる土産物屋の女性だったり。
もちろん全員がいい感じだったわけではないですが、理不尽に嫌な対応をされることはなかったです。
いつもどこでも歌が流れる
幅の広い帽子をかぶり、きちんとした格好をした数人の楽団を「マリアッチ」と言います。
ギターやトランペット、バイオリンなどを手にメキシコの音楽を奏でる彼らは、お祭りやイベント、レストランなどで見られます。
マリアッチ発祥の地と言われるトラケパケという町の中心には、マリアッチのステージを囲むようにレストランが並ぶ場所があります。
ステージではゲストと思われる豪華な衣装の歌手が登場したりしながら何曲も演奏されます。演奏も素敵ですが何よりみんな楽しそうでこちらも楽しくなってくる。
ノリのいい音楽のおかげで食事もお酒も進む時間が過ごせます。
実は馴染みやすくて過ごしやすい国
メキシコというと危険なイメージだったり、どんな国なのか想像しにくい遠い異国かもしれませんが、実際は人柄も文化的にも案外すっと馴染む国です。
安全には十分配慮しながらも、陽気なラテンの国を存分に楽しんで欲しいと思います。