【フィンランド】ヘルシンキでサーモンと教会を楽しみながらときめきを探す一日

サンクトペテルブルグから電車で到着した、ヘルシンキの駅はおしゃれでかっこいい。スタイリッシュなのに重厚感もある。

そして文字がアルファベット!ロシアのキリル文字はまるで暗号か謎解きのようだったので、読めるだけで新鮮。

ロシアでは雨だったり曇りだったりどんよりした天気が多かったのですが、ヘルシンキに着いたこの日は天気がよく、青空が最高に気持ちよい一日でした。

ヘルシンキの町はどこかサンクトペテルブルグに似ていて、ノスタルジックな雰囲気と色あせた感じが似合う町並み。

わたしが思う、二つの都市の大きな違いは石畳路面電車。そして誰もが英語が堪能なところ。

バスの運転手も、道端のおばちゃんも、店員さんも、道を教えてくれるおじいちゃんも、みんな普通に話せる。英語どころか多言語を操るのが当たり前らしい。フィンランドの世界一と言われる教育の成果なのか?

フィンランドといえばマリメッコなど北欧デザインのものが日本で人気ですが、わたしはそれほど興味がなかったので、通りかかった雑貨屋さんに寄る程度でも十分楽しめました。

ヘルシンキで絶対に行こうと思っていたのは「カハヴィラ・スオミ」というカフェ。映画「かもめ食堂」の舞台になったカフェです。

わたしが訪れたのは2015年9月でしたが、同じ年にオーナーが交代し、2016年4月にはリニューアルして「ラヴィントラかもめ」というレストランになったそうです。映画の舞台となった場所へ行きたかったので、ぎりぎりでロケ地訪問ができたということ。行けてよかった!

店内の雰囲気自体は穏やかでしたが、日本人観光客で賑わっていて(わたしもその一人ですが)スタッフは忙しそうで、「地元の食堂」という雰囲気ではなかったです。恐らくもともとはゆったりした食堂で、その時を知っている人にとって、現在はちょっと残念な状態なのかもと思ったりもしました。

と思いつつも存分に映画の残り香を楽しんだし、ランチに頼んだサーモングリルはすごーく美味しかったし、満足!

続いて行ったのはヘルシンキ大聖堂。ヘルシンキのランドマーク的存在のどんと構える白い聖堂は、青空をバックにすると更に美しく映える。

前の広い階段に観光客や地元の人たちが憩う賑やかな場所でした。

ヘルシンキにはいくつか個性的な教会があってどこも観光場所となっているのですが、中でも極めて目立つ独自性に惹かれたのが、もみの木で作られたカンピ礼拝堂

騒がしい町の中心部の広場にある楕円型の特殊なこの礼拝堂は、別名「静寂の教会」と呼ばれています。周囲の喧騒から中へ入ると中には別空間が広がっていて、思わず厳かな気持ちになる。思わず静かに過ごしたくなる。

こうしてヘルシンキの街中をうろうろ歩き回り、食事も町並みも観光も楽しみました。

どこに行ってもキレイだし、雰囲気はゆったりしていて人も穏やかだし、食べ物は美味しいし、おしゃれなカフェや雑貨屋さんも多くて、心うきうきな要素いっぱいなはずなんです。が、

どうにもときめかない

サンクトペテルブルグに初めて着いて、地下鉄の駅から地上へ出たときのあの瞬間の、ぐわっ!と来るような、圧倒的なものに自分を持って行かれるような、あの感じが、ないのです。

ヘルシンキはどこもほわんと優しくて、ゆったりしていて、全体をふわっとしたものに包まれているような感じ。それは安心感に溢れてて、とても素敵なんですが、個人的にはどこか物足りない。

このあとのヨーロッパの旅でひしひしと感じることになるのですが、わたしはどうやらどこか寂れた、未完成な感じの、あるいはうらぶれた感じの、ごちゃごちゃした場所が面白いと感じるようで・・・

そろそろフェリーの時間。英語が通じるおかげで迷うことなくスムーズにバスでフェリー乗り場へ。

ヘルシンキとタリンを結ぶフェリー、Baltic Queenの一番安い座席をネットで購入済みでした。発券したチケットには「Deck」35ユーロ。

ん?「Deck」??

航海時間の3.5時間、甲板にずっといなきゃいけないのか?と不安に思い、スタッフのお姉さんにチケットを見せて尋ねると、

笑いながら「anywhere」とのこと。

部屋はないけれど、船内でも、甲板でも、バーでも、レストランでもどこでもお好きなところにいてくださいというチケットでした。なーんだ、よかった。そりゃそうだよねぇ。

船内にはステージのある広いバーがあり、そこでロックを演奏するバンドとステージ前で踊りながら音楽を楽しむ人々を二階から眺めて過ごしました。

おじさん、おばさん世代からおじいちゃん、おばあちゃん世代の人たちが、とても楽しそうに飲んで踊りながらはしゃいでいる姿を見て、わたしもこんなふうになりたいなぁと思い、日本にもおじいちゃん、おばあちゃんが堂々とはしゃげる場所があるといいなぁ、なんてぼんやり考えていました。

タリンにはすっかり暗くなった22時に到着。旅程上仕方ないとは言え、夜に新しい国に到着するのはできれば避けたいのですが・・・

そういう状況では必ずと言っていいほど何かが起こるもので、タリンの夜も、なかなかハードになりました。