【ロシア】憧れのシベリア鉄道な日々、後編:駅の様子とロシア人について思うこと

車内には停車駅と停車時間が書かれた予定表が貼ってあり、それをチェックして次の停車駅を待ちます。

ロシア国内には11のタイムゾーンがあり、最大の時差が10時間ありますが、予定表に書かれている停車時間はすべてモスクワ時間です。各停車駅にある時計もモスクワ時間に設定してあります。

なので、例えば停車時刻が朝の4時と書かれていても、実際到着したときの現地時間は午前9時だったりするのです。慣れないととてもややこしい。

でも徐々に時差がなくなってモスクワ時間に近づくと、「あぁついに、モスクワ時間!」と移動距離をしみじみ感じることもできます。

停車駅に着くとまずは売店へ行くことが多い。名物のピロシキや魚の燻製を売る売り子さんがうろうろしています。

こちらはバイカル湖名物のオームリの燻製。濃いお味でお酒に合う。(車内は禁酒です笑)

駅によっては駅舎がホテルか空港か??ってくらい豪華ですてきだったりします。

停車時間に駅舎の中を散歩するのも気分転換になって好きでした。

ところで、シベリア鉄道の車内で食事はどうしてるのか?

人によって移動時間は様々なわけですが、長く電車で過ごすことがわかっている者はそれなりの食料とか水を持ちこんでいます。

パンに始まり、お菓子、缶詰、お茶、ジャム、インスタント食品などなど。

車内でも少しだけ食べ物を売っていますが、それよりも停車した駅の売り子さんから買ったりキオスクで買うことが多い。

わたしが電車に持ち込んでハマった、インスタントの味付きマッシュポテト。お湯を入れてかき混ぜてしばらく置いておくと食べられる。おいしい~。

車内で飲む物と言えば専ら紅茶でした。

ジャムを入れて本場ロシアンティー!と思ってたけど、彼らはそんな飲み方は一部の人だけだ、と笑われる。けどその後しっかり紅茶にフランボワーズのジャムを入れてましたが。

さて、そんな車内で良く見かける光景があります。

乗客は、みんな降りる場所も乗る場所もそれぞれ違うので、出会いと別れが頻繁に訪れます。

わたしには、見知らぬ者同士でもすぐに打ち解けて

簡単に旅仲間が出来ているように見えました。新しい出会いをさらりと受け入れ、食べ物を分け合い、話をしながらカードゲームをし、時が来ればさらりと別れる。別れの場面はかなりドライに見える。

日本人同士の場合、出会いの時点ではまだ遠いところにいる相手との距離が、徐々に近く濃くなっていき、別れの場面で距離が一番短くなるように感じます。

電車の中で見たロシア人同士の距離は、出会って少し話した時点ですでに旧友のような仲になり、それが別れまで続き、そのまま「またね」と別れる。あっさり。

どちらがいいとか悪いとかではなく、ただただ文化の違いだなーと思いました。

以前はそんな場面に出くわすと、さらっと仲良くなれるっていいなぁ、日本は形式ばってるなぁと感じてました。

そんな日本の文化や習慣が自分の性格にも影響していて、もし海外で産まれ育っていたら、すぐに友達ができて「引っ込み思案な自分が嫌だな・・・」とか性格で悩むことはなかったのでは?と思ったりもしました。

今は、ひとを思いやりながら徐々に親しくなるのは誇るべき日本の素晴らしい文化の一つで、悩むところじゃないと今は考えてます。

わたしにはわたしのペースとやり方があって、それがわたしである。

わいわいしたところとか、初めて会う人々の中ではすぐに溶け込めないけど、それがわたしである。

日本がどうこう、というのは、付随する情報であって、そこで悩む意味がないよなぁと思う。

海外に来てそんな場面にいたからこそ、感じられたことですよね。

モスクワに近づくにつれて車内は混雑し、乗車してくる人たちもビジネスマンや仕事で移動中であろう女性などが増え、車内の雰囲気は都会的なかっちりした雰囲気に変わっていきました。

わたしはそれまで仲良くしていた人たちがいるコンパートメントに居続け、話をしたりお茶を飲んだりして最後の夜を過ごしました。

朝起きると、いよいよモスクワに到着です。