クロアチアのスプリットからイタリアのアンコーナまでのフェリーは20時ころ出航し、翌朝7時ころ着船予定。
個室のチケットではなく、リクライニングする椅子がたくさん並んでいる安い席のチケットを買い、新しい国へ意気揚々と出航口へ。
周囲の乗客はイタリア人が大半で、船内は貨幣がユーロになり、お酒や食べ物もイタリアの物ばかりでまさにイタリア一色。
クロアチアのお金を使い果たすべく、乗船前に使っておいて大正解でした。
ロマン感じる船の移動が大好きなわたしは、まずは船内を一通り見て歩く。
デッキから出航の様子と最後のスプリットの夜景をしっかり見届けて感傷に浸り、
いそいそと自分の席へ戻り、このリクライニング席をいかに快適にするか試行錯誤したりしていました。
このときは晩秋というオフシーズンだったためか席は空席が目立ち、
静かで快適な時間が過ごせそうだなーと思っていたところへイタリア人家族一行が登場。
陽気なその家族の一人はギターを抱えているし、全員話し声が大きい。
嫌な予感。
果たしてその予感は的中し、夜中までワインとともにギターを奏でて歌いながら盛り上がるご一行。
混ざって一緒に楽しむ、という社交性と勇気を持ち合わせていないわたしは、
本を読んだり考え事をしたりしてひっそりと過ごしました。
翌朝、眠れたような眠れてないようなぼんやりした状態で外に出ると、
朝の爽やかな空気の中、初めて訪れるイタリア、アンコーナの港が見えていました。
特別なことはない、とくに賑わってるふうでもない小さな港でしたが、
わたしにとっては未知の国への入口。
文字が違う、建物が違う、人も違う。
港からアンコーナの鉄道駅へ移動し、首都ローマへ向かいます。
さて、イタリアと言えば!コーヒーでしょう、と駆け寄るように駅のコーヒースタンドへ。
立ち飲みしながら会話をする人、注文したり会計したりする人が交差している忙しない駅のスタンド、これぞイタリア。
子供の初めてのお使いばりに緊張と興奮の中、「わたしも!」ってな感じに「Can I get a Latte?」と注文。
絶対聞こえているはずなのにバリスタのお姉さんは怪訝な顔で他の客と顔を合わせただけで何も答えず。
あぁ、この次に作ってくれるのかな、英語を話さない人なのかな。
と、待てども一向にこちらを向くことがない。ラテを作ってくれてる様子もない。
英語がわからなくてもLatteは通じるでしょう、と何度も注文を繰り返してみる。
すると、ため息と愛想の無い怪訝な顔で出されたのはホットミルク。
ここでやっと気付いた。
Latteはミルクのことなのだ。
エスプレッソとミルクが混ざったものはCafe Latteなのだ。
そっかぁ。
旅先の恥はかき捨てとは言え、周囲の視線を浴びる恥ずかしさと、
この意地悪なお姉さんに注文し直せなかった自分の情けなさと悔しさで意気消沈し、
ミルクを飲み干して1ユーロ払い、しょんぼりホームへ戻ったのでした。
着いたローマの駅は信じられないほど広く、たくさんのホームがあって、しかもそれがすっごく長い。
ようやく外に出て宿の近くまで行くバスを探すも、バスが多すぎて探しているバスの乗り場がどこにあるのかよくわからない。
ようやく探していた番号のバスに乗るも、なぜか途中で違うルートへ向かっている。なぜなのだ。
慌てて降りて、仕方なく重いバックパックとともに歩いて宿へ向かう。
空は抜けるような濃い青空で、
どの国にもなかった不思議な形の木が町中に堂々と生えていたり、
城壁か何かの跡であるレンガ造りの塀のようなものが現れたりと非常にローマらしい町並みなのだけれど、それを楽しむ余裕がない。
息を切らしながらもどうにか辿り着いた宿で迎えてくれたオーナーは、
とても面倒見の良い人で、大変だったねぇ、と労われながら観光情報を細かく教えてくれました。
イタリアではローマに3日、それから北上していくつかの町を巡り、最後はヴェネチアまで行く予定です。
今までいた東ヨーロッパと比べると物価が高くて驚いたけれど、ここはちょっと豪華に楽しもうかなーと考えてました。
到着したこの日はまだまだ時間があったので早速ローマの町へ。
まず歩いて向かったのは巡礼者の入り口、ポポロ広場。
おぉ、どこを向いても立派な建物ばかり。改修工事中のものも結構ある(後でもっと思い知る)。
地図を見ながら歩いていると知っている名前の名所がいくつもあるし、知らなくてもなんだかすごい規模の何かを見つけてしまって忙しい。
立ち並ぶたくさんの教会はどこへ入っても豪華で美しい。贅沢な空間。
バスに乗ってていきなり現れたヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂。
地図を片手にやっとたどり着いたトレヴィの泉は改修工事中…。目の前にあるのに水のある姿は画像のみ。画像かぁ。
むしろ稀なお姿を見れたということでよしとしよう。
日が傾き始めて、(遠目にバチカン)
最後にパンテオンに寄り、
イタリア最初の夜はイタリアビールのモレッティとブルスケッタ、ラザニアを頂きました。
さすがの世界的観光都市。見所が多くて見て回るだけで時間が過ぎそう。
旅行は体力勝負ですね~。