田舎の方へ行けば行くほど、公共交通機関が少ないし、情報も限られるので旅行者にとっては不便です。
でもその不便さと比例して増えるのは、地元の人を身近に感じられるという利点、だと思う。
(前回の機関車の中では完全アウェーだったけど、あれは地元の人でなく旅行者が乗るものだとすれば、ですけどね)
ビシュウ・デ・ススからシゲット・マルマツィエィまではバスがあるものの、1日に1~2本とかなり少なく、機関車に乗った後の夕方に移動しようとしたわたしには移動手段がない状態でした。
そんな中!シゲット・マルマツィエィで予約した宿の人が無料で送迎してくれるとのこと。
車で1時間半くらいの距離を、わたし1人を送迎するために自家用車で来てくれました。
な、なんて優しいんだ…
予約した宿は、Pension casa Muntean というところ。
ホームページはちょっと不安になるようなイマイチさなんですが、Booking.comやHostel worldを参考にしてみてください。
評価が高いのがわかるし、予約もしやすいです。
オーナー家族の家が同じ敷地内にあり、ホームステイのような気分が味わえます。
この辺りの家は門構えがどの家も立派。
門の横にある鍋がかかった木は、嫁入り前の娘がいることを現す…だったらしいけど、今はただの習慣らしい。
(後になって気づいたけどこれ隣のペンションの写真。ですが同じような作りでした汗)
前日のビシュウ・デ・ススで泊まった時と同じくここもペンションなんですが、
ツインのお部屋をドミトリ―のように使わせてくれて、1人分の金額でよいとのこと!
滞在中1人客が来なかったので、結局最後まで1人で個室として使ってました。
お部屋や館内にはルーマニアの伝統刺繍柄のカーペットやブランケットがあり、とても可愛い。
周囲にはレストランどころかお店もないので、食事はペンションの食堂で頂きました。
ボリュームのある家庭料理は美味しかった!
これはさすがに別料金だったけれど、ルーマニアの強い蒸留酒、パリンカが飲み放題。(と言ってもそんなにがばがば飲める強さじゃない)
夕食で一緒になったロシア人旅行者、アーシャとゼニャとともに、お酒が進んだ夜でした。(ロシア人はさすがにお酒が強かった笑)
この小さな町へ来た目的は、ルーマニア北部(マラムレシュ地方)に残る木造教会を見学に行くこと。
これは、「マラムレシュの木造聖堂群」として世界遺産に登録されています。
教会は点在していて自力で見て回るのは難しく、タクシーやツアーを利用しなければならないという情報があったので、
1人だと割高だしどうしようかと思っていましたが、アーシャたちも観光したいということで、一緒にツアーをお願いすることにしました。
ツアーは、泊まっているペンションのオーナーがやっているMaramures tourを利用。
いろいろな融通が利くし、オーナーの知り合いの方を尋ね歩くような個人ツアーだったのでとても楽しく、お願いして大正解でした。
最初に訪れたのは、Church of the Holy Paraskeva。
冬には雪深くなるこの地域の教会は、縦に細長い構造で大きな三角屋根を持つ小さな教会で、内部には絨毯が敷いてあり暖かな雰囲気です。
木造教会が残っているというだけでも行く価値はあると思うのですが、内部のイコン(キリストや聖書の出来事を描いた画)がとっても見ごたえあります。
ロシアで見たイコンとは違い、ひっそりとした薄暗く小さな教会内の空間に、
素朴な絵がびっしりと描かれていて、この教会が地元の人の欠かせない祈りの場として大切に守られてきたことがわかる。
敬虔なキリスト教徒のアーシャはさかんにたくさんの質問を牧師さんにしていたけれど、
わたしは、その眠たくなるような安心感と心地良さに、懐かしさみたいなものを感じていました。
続いて、聖ニコラス聖堂(Church of Saint Nicholas)へ。
外の造りは似ていますが、牧師さんによって、中の雰囲気が変わるように思う。
親しみやすい人、敬虔な人、わりとドライな人など。
ちなみに、牧師さんが常に教会にいることはほとんどなく、電話で呼び出すか(番号が教会の扉に貼られている)、事前に伝えておかなければいけません。
なので、やはり観光するには現地のツアーを利用した方がいいです。
この木の詳細はちょっと理解できなかったのですが、どこかの木を割ってみたら中に十字架が!という神聖なもの、らしい。
その後もツアーはまだまだ続く。
次は昨夜も飲んだパリンカ作りの見学。
と言っても工場見学ではなく、お家でパリンカを作っている陽気なおじいちゃんのところへお宅訪問に伺いました。
ちょっと衛生面が気になる様子でしたが笑
試飲はブルーベリーのパリンカを頂きました。
そしてそのまま買っちゃいました!(アーシャも)テーブルの上にある黒いペットボトルがそれ。
このおじいちゃんは酔っ払ってるような陽気さなんですがt(というかたぶんいつも半分酔っ払ってる)、手先がとても器用。
瓶の中でりんごの木の細工を組み立て、そこへパリンカを入れてりんごの香りを移すらしい。粋なことする!
ツアーは後半となり、次は広大な修道院へ向かいます。