名もなき助け舟


マケドニアからアルバニアへの国境を越えたところで通りかかった車に乗せてもらい、オフリド湖沿いに数キロ進んできたので、距離的にも地理的にもここが目指していたポグラデツという町なのでしょう。

乗せてもらった車に乗っていた三人は英語が通じなかったけれど、町の名前はなんとなく通じたようだったし、間違いはないと思う。

 

次なる難関は、ここからアルバニアの首都ティラナまで行くバスに乗ること。

バス停がどこかわからず、そもそもバスがあるのかもよくわからない。

インターネットで調べればバスがあるらしいことはわかるけれど、こんな小さな町からのバスの情報は乏しく、どこからどうやって乗るのか、値段はいくらなのかの情報がほぼありませんでした。

事前にダウンロードした地図によると、今わたしはどうやら町の中心を通る道沿いにいるらしい。

バスはこの道を通ると思われるので、バス停もこの道沿いにあるはず。

周りを見てみるとちょっと進んだところにバスステーションらしき場所があり、そこでバスを待っているらしき人に聞いてみるも、ティラナ行きはここから出ないとのこと。

ではどこに行けばいいのか尋ねると、今いた道をさらに進んだところにあるらしい。

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アルバニアの印象は人が少しシャイで優しそうなこと、国旗をモチーフにしたグッズを売っているお店が多く愛国心が強そうだということ。商店も団地も古くて寂れた印象で歩いている人も少ない。

どんな国なのか探りつつ、そして途中で激しいスコールに遭って足止めを食いながら進むも、バスステーションらしき場所は見当たりません。

徐々に町の外れに近づいて不安になってきたころに、ホテルがありました。

ホテルなら英語が話せる人がいるかもしれないし、バスの情報にも詳しいかもしれない。

外から中を除いて様子を伺っていると、道の向こうから「泊まる場所を探してるの?中に入りなよ」と男性が声をかけてくれました。

宿泊ではなく、ティラナ行きのバスを探していることを伝えると、

「それならここから出るよ。あ!あの車がティラナ行きじゃないかな」

と、今わたしが歩いてきた道からこちらへ向かってくる、バスというよりバンに向かって大声をかけながら手を振って合図をし、バンを停めて行き先を確認し、わたしがティラナまで行きたい事を伝えてくれ、「Good luck」と言ってさらりと去って行きました。

 

なんだ、このスムーズな展開は。

 

乗車した場所には何の目印もありませんが、同じ場所で数人が車を待っている様子だったので、おそらくはバス停というか乗合所のようなところだったのでしょう。

通るバンには目印や行き先の表示などなく、バンが通るたびに運転手が中から行き先を叫び、乗客が乗りたい旨を告げると停まって人を乗せるシステムらしい。

もっとも、このバンは公共の交通手段というよりも、どうも個人営業でやってるようでした。

ティラナに着いて交渉する余地もなく言われた額を払いましたが(適正価格がいくらかわからないので)、後に調べたり人に聞いたりしてみると、やや高めだったので公共ではないのかなと思いました。公共の交通機関があるのかどうかも定かではないですが。

わたしとしては値段がどうこうというよりも、心配していたティラナまでの移動が、こんなにスムーズに正しいバンに乗れたことに、心から安心したのを覚えています。

 

予約していたティラナの宿では日本人旅行者に数人会いました。アルバニアに来る日本人なんて限られてるだろうと思っていたので意外でした。

アルバニアは、イタリアやクロアチア方面から東へ移動する旅行者と、わたしのようにマケドニアやギリシャから西へ移動する旅行者の、交差点のような場所。

宿はいろんな国籍の旅行者で賑わう大きなところで、わたしが今後行く予定の国を通ってきたひとの余った通貨と、わたしが使い切れずに持っていたこれまでの国の通貨を交換したりしました。

夜のティラナの小さな通りは暗く、少し恐い印象がありましたが、出会う人々は優しく、嫌な思いをしたことはありませんでした。

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朝起きて外に出ると今日はガレージセールの日らしい。がらくたに見えなくもないけど、人はたくさんで賑わっていた。

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残念ながらアルバニアではゆっくりする時間がないので、観光らしいことはせず、少しだけ町歩きをして、次の日にはモンテネグロへ移動します。

マケドニアからアルバニアの国境越え、それからティラナまで一日で移動するという、自分の中ではわりとチャレンジングなこの日を、無事にスムーズにこなせたことに満足し、すごくリラックスした気分でアルバニアビール(安いけど美味しくない)を飲んだのでした。