クロアチアのドブロブニクに着いたのは夕方近く。
有名な旧市街地とバスステーションは少し距離があり、予約した宿はその中間くらいの中途半端な場所にありました。
アパートの入口のようなところに宿の看板が出ていて中を覗くと、おばさんが髪を切っている。
美容室??
この奥に宿の受付があるのか?と中へ入ろうとすると、おばさん美容師が愛想良く、
「ホステルに行きたいのよね?二階へ上がってちょうだい!男の人がいるから部屋に案内してもらって」とのこと。
言われるがまま二階へ上がってチェックイン。
先ほどのおばさんは一階で美容室をしながら宿も切り盛りするスーパー働き者おばさんなのでした。
チェックアウトの時にちょっとしたお土産もくれた、旅人をもてなすことを喜びにしているような人。
バスステーションからも旧市街地へも歩いていける距離にある宿を選んだので、荷物を置いてさっそく暮れかかった旧市街へ。
クロアチアの町並みを興味深くきょろきょろしながら歩き、途中で見つけたお店に寄ったりしながら進むと、どんどん暗くなってきました。
小雨が降ってくる中、きちんと地図を確認しながら歩いていたはずなのに…
なのに、こういうときにはなぜか必ず迷う。
坂道や階段を上ったり下ったりしながらやっと、やっと旧市街地の灯りが見えたときには、救われたような気持ちになりました。
旧市街地をぐるりと囲む長さ1900メートル、高さ20メートルの城壁をくぐると、そこは雨で濡れて白く光る石の世界でした。
壁や道や階段、教会などがすべて石でできており、それらが街灯で照らされてきらきらしていて、さっきまで暗い中をうろうろしていた町とは別世界のようでした。
旧市街の中はレストランやカフェがたくさんあります。
海の町に来たので待望のシーフード!をビールとともに。
迷ってたくさん歩いた後のこのレストランはとてもよく覚えています。美味しかった!
翌朝は前日の反省をもとにバスを使って旧市街地へ行きました。(あっという間)
これが旧市街への入り口のひとつ。
旧市街地は真ん中を通る大きな通り以外は小さな路地がいくつも走っています。
路地内にはカフェや美容室、野菜を売るマーケットもあって、観光地ではあるけれど地元の方の生活が垣間見えます。
海と反対側の山側の路地は階段が続きます。
町を囲む城壁には上ることもできるので、そこから町を見下ろしてみると、全体の構造がよくわかる。
海に突き出た城壁に囲まれたこの町が、海洋貿易で栄え、他の場所とは一線を画した自律的な場所であっただろうことが想像される。
それにしても、屋根の色や素材が揃うと、こんなにも統一感が出て美しいものなのか。
この日は曇っていたけれど、晴れていれば海がもっと色を持ち、屋根の色も引き立って、キレイなんだろうな。
ドブロブニクの前にコトルで赤い屋根の美しさを知っていたので、若干比べながら見てしまう部分はあったけれど、
ドブロブニクは城壁に上ってぐるりと歩けるので、町をじっくり観光できます。
さて。
次に向かうのは細長い形の国であるクロアチアの、中間あたりに位置するスプリットという町へ。
アドリア海に浮かぶ島々や、イタリアへのフェリーが出航する港町。
ここからイタリアへ渡ります。