ザルツブルグから電車に乗って夕方には憧れの地ウィーンに到着!
地下鉄や路面電車がたくさん走り、レストランやカフェ、ファーストフード店がたくさんあり、観光客も地元のひとも夜遅くまでたくさん出歩く、都会にやってまいりました!
ウィーンでは三泊四日分を思い切り観光に充てる予定で、わたしにしては珍しく、いくつか見たい場所を予め調べておきました。なので明日の朝早くからは予定がたくさん。
到着したこの日はすでに外も暗くなってきていたので、まずは予約していた宿にチェックイン(二段ベッドの上段へ上るはしごがないベッドに初めて遭遇)。
宿の中にある小さなバースペースでハッピーアワーのビールを飲み、近所のスーパーで買ったものを使ってパスタを作って食べ、わくわくしながら早めに就寝して明日に備えました。
翌土曜日は超楽しみにしていた蚤の市の日。ウィーンの朝の蚤の市。いい響き…
天気は快晴。
がらくたのように見える品々や、いつからこの場へ出され続けているのだろうドアノブやフックなんかが入った段ボール、もはや布切れの山にしか見えない服や靴、絵、家具、食器、その他いろいろなーんでもあり。
憧れのウィーン!というフィルターを通して見るから、なんだかすべてが素敵に見えてくる。
錆びた鍵も意味不明な物体も、味わい深いものに見える。
そんな中で物欲に負けそうになることも数回。
このホーローたちやかごは本当にかわいい!すっごく迷ったけど、これからも旅は続くのでこんな嵩張るものは買えず…。
野菜も売ってます。こういうところでさっきのかご持って買い物して料理して…と妄想は尽きない。
どこに行ってもせっかく来たのだからという気持ちはあれど、本当に欲しいと思ったものだけを厳選して自分へのお土産に買う事にしていたので、蚤の市は雰囲気を存分に楽しむことに集中。
その後蚤の市会場の隣につながっている、常設の食品市場ナッシュマルクトを通り(ここも面白い)、町の中心部へ向かいます。
中心部にある国立オペラ座を目指して歩いていると、偶然通りかかったその見覚えのある建物は…
セセッション館!!
グスタフ・クリムトが所属していたウィーン分離派の展示会館です。
わたしのウィーンに来た大きな目的はグスタフ・クリムトが大好きだから。ひとつでも多く、その本来あるべき場所で実物を見たかったから。なのです。
彼の名前を聞いたことがない人も、作品は必ずどこかで見たことがあるはず。ぜひググってみて!
わたしが彼の実物の作品を初めて見たのは、2010年オーストラリアにワーキングホリデーで滞在中、メルボルンで開催されていたウィーン美術の展示会に行ったときでした。
芸術に疎いわたしがこの展示会に行った理由は、休みの日に通りかかったらたまたま開催されていたから。
加えて、「休みの日に美術館を訪れて芸術に触れている自分。しかも海外で。うふふ。」というシチュエーションに酔ったという軽々しい理由でもあったのですが、とにかく中に入って衝撃を受けたんです。
数人が重なるように描かれたパターンのような書き方だったり、暗く毒々しい色づかいがあったり、何もかも包み込むような柔らかい女性の表情だったり、すべての細部を目に焼き付けたくなるような、惹かれるものがあったんです。
そのメルボルンの展示会で見た絵のひとつ「ベートーヴェン・フリーズ」が本来展示されている場所が、この目の前のセセッション館。
この日は他に行く場所を決めていたので中には入りませんでしたが、ウィーンにいることを強く、強く実感した場面でした。
国立オペラ座に来たわたしの目的はオペラ座のチケットを買うわけではなく、観光バスのチケットを買うためでした。
東京や京都など日本の観光地を含め、世界各地の観光都市を走っている二階建ての大きなあのバスです。
ウィーン観光をした友人がしきりに「Big Bus」という観光バスが便利!と言っていたので、購入を決めていたのです。
いくつかの観光バス会社が競合していますが、同じようなサービスと同じようなルート、同じような料金なのでどれもあまり変わりはないです。
Big Busのチケットは一日券、二日券など数種類あったり、そのサービスやルート内容をよく聞いて検討すればよかったのですが、そのとき、参加したかったwalking tourの開始時刻が迫っていたので、あまり考えずに購入してしまいまして。
結論から言うと…
わたしには、それなりに値が張るこのバスチケットは不要だったと思います。
うまく使えば便利なんだと思いますが、バスの本数が全体的に少なく、運行時間が決まっていないのでタイミングによっては待ち時間が長くて非効率的。
加えて、バスルートは一方通行なので、例えば一つ前のバス停に行きたくても、ルートを一周しなければいけないので時間がかかり過ぎるし不便。
そして特典としてついていたドナウ川クルーズが面白くなかった。(個人の意見です)
買ってしまったから利用していましたが、意識的に利用しているというだけで便利だとは思いませんでした…
ウィーン観光は主要な場所を網羅していて、本数も多い地下鉄とトラムが絶対!便利です。
さて、ウィーンに来たからには食べなくてはならない本場のザッハトルテ。
ホテルザッハーとデメル洋菓子店という二店舗で、ザッハトルテの権利を巡って争っていたらしい(walking tourの陽気なおじさんが話してて初めて知った)のですが、今回はホテルザッハーへ行ってみました。
混雑していましたが、一人なのでカウンターでよかったからか、案外あまり待たずに入れました。
スタッフの方々は終始忙しそうで、あまり愛想はなく、ゆったりできるというわけでもないのですが(時間にもよるでしょうけど)、内装や食器は豪華なので優雅な気持ちになります。
お味はとっても濃厚で甘い!のでコーヒーと一緒で丁度いい。昼食の代用になるほど食べ応えあります。
その後本日のメインとなるベルヴェデーレ宮殿(belvedere)へ。
ここには有名な「接吻」を含めて、クリムトの作品がたくさん展示してあります。
彼の作品が展示された一角は、照明が落とされていて、金箔をたくさん使った作品が妖しく際立つ、妖艶なのに包まれるような癒しも感じる魅惑的な空間でした。
あぁ、ここに来れてよかった…
残念ながら写真撮影は禁止ですので、作品とその空気を記憶と五感に沁み込ませて、ベルヴェデーレを後にしました。
その夜は、無料の教会コンサートに出かけて一日を締めくくりました。
その帰りに通りかかった、昼間例のバスチケットを買ったオペラ座では、夜はもちろんオペラを上演しています。
その脇の屋外スクリーンにはその日の上演がそのまま映し出されるので、無料でオペラ座体験ができました。ドイツ語がわからないので本当に体験だけでしたけど。
初日に目的のものを見れて満足ではあったのですが、どこかに「見るべき物を全部見なければ」という焦りはやっぱりどこかにあって、どこかしっくりこない感を感じてました。