昼の顔と夜の顔


クロアチア南部はアドリア海に面した細長い形をしていて、ドブロブニクはその南端部に位置します。

目指すスプリットは海岸沿いを北上したところにあり、ドブロブニクからはバスで4時間半ほどかかります。

クロアチア内のバスは本数も多く、バスステーションもきちんとあり、しっかりしていそうだったので安心していました。

きちんと整備されたバスが定刻通りに運行するのだろう、と。

しかしあくまで印象がしっかりしていそうなだけだったと、後々思い知るわけですが。

 

午前中ドブロブニク旧市街を満喫し、昼のバスに乗って16時頃にスプリット到着、その後夕暮れの港町を歩けるかなーなどと考えていました。

出発時間前にバスは到着し、時間通りに出発。

海をみながらゆったりバス移動…

…と、すぐに道の脇に停車。

後続の車に道を譲ったりしてるのかな。4~5分停まって再度出発。

そして10分程走って再度停車。

4~5分停まって再度出発。

それが3~4回続き、さっぱり進まないバスに異常を感じて周囲がざわつき始めました。

誰かが運転手に事情を聞きに行き(運転手から事情説明がないことがすでにおかしいですが)、それを聞く周囲の人の反応を見ると、思った通り故障しているらしい。

すぐに別のバスを手配するか、直る故障ならば修理を呼ぶなどの手配が当然あるだろうと思いきや、その「ちょっと進んでは停車」を実に2時間ほど繰り返し、あるバスステーションまでなんとか進み、そこでやっと修理を呼んだようでした。

しびれを切らした数人はバスを乗り換えるためにそこでバスを降りたり、電話をかけて迎えに来てもらったりしていました。

が、そんな手段を持たず、乗り換えるバスがあるのかよくわからないわたしは、ひたすら待ち続けるしかなかったのでした。

空腹と後ろの席の女性が大音量で見ている動画の音にイライラしながら待ち続け、外がすっかり暗くなったころ、ようやく!バスが直ったようでした。

そのころには乗客の間では不思議な一体感があるもので、疲労しながらも手を取って喜びあい、長く旅をしてきた仲間のような雰囲気で、スプリットへ向かいました。

 

4時間半のはずだった道のりは8時間ほどになっており、到着は夜でした。

バスステーションは港のすぐ横にあったので、バスから開放されるとその脇は、広く、暗い夜の海。

大きな船が数台停まっているけれど、周囲のお店は閉まっていてとても静かでした。
すぐに宿でチェックインをしてまずは空腹を満たしてから、夜の港町へ。

城壁で囲まれた旧市街地の周辺はぼんやりと薄暗くて人気も少なく、雰囲気が良いとも言えるけれど、どこか寂しげで怖い。

この日は強風で寒いこともあり、更に人が少なかったのかも。

それでも少しだけ歩いてみると、人のいないひっそりとした石に囲まれた空間に土産屋や銀行、レストラン、服飾を売るお店などの人工物が白い灯りに照らされていて、なんとも言えない違和感。

昼間だと賑やかであろうその場所も、暗い中でひとり佇むと、どうも寂しさが勝ってしまって、しんみりと宿へ戻りました。

翌朝は良く晴れた青空が広がる気持ちのいい朝。

早速昨日行った旧市街へ行ってみると、広場ではマーケットが開催されてとても賑やか。

古く、よく使いこまれた計りを使っていろんな野菜や果物が売り買いされています。

なぜか多い大量のにんにく立ち売りスタイル。

昨日は寂しげだった旧市街地にはたくさんの観光客が行き来し、カフェやジューススタンドがカラフルな椅子を並べ、騎士の格好をしたお兄さん達と写真を撮ったりしていました(これは後からお金を要求される有料パフォーマンスです。注意。)。

昼間は明るくて活発で風通しの良い、気持ちのいい場所でした。こうも印象て変わるもんなんだな。

ディオクレティアヌス地下宮殿跡。有料で地味だけど見る価値あった。3~4世紀からあるなんて。

青く広い空のあたたかい日差しの下で昼ビールをいただき、夜のフェリーの時間まで、のんびり一日を過ごしました。