憧れのシベリア鉄道な日々・前編


旅の目的の一つであるシベリア鉄道には、ウランウデからモスクワまで三泊四日間乗りました。

 

自分の名前がそうさせるのか(笑)、わたしは飛行機をはじめとして電車、バス、フェリーなど乗り物が好きです。

駅や空港、バスターミナルも大好きで、これからどこかへ出かけようとしている人たちのわくわくした落ち着かない雰囲気や、制服を着た係員がびしっと電車を見送ったり迎えたりする姿や、たくさんの行き先と時間を並べる掲示板や、まっすぐのびる線路とプラットフォームなどなど、その雑多なのに全てが調和しているような空間が、なんだか安心するんですよね。

だから飛行機でも、経由便って目的地まで行くのに時間がかかるし敬遠されがちですけど、わたしは好きです。

一回の移動でいくつも空港に行ける!しかも安い。

今回のこの旅中も、飛行機に七回、フェリーに三回(ヴェネチア、バンコク市内の移動をいれればもっと)、鉄道・バスは数え切れず、自転車、バイク、人力車、トゥクトゥク、ソンテウ(乗り合いバン)などたっくさん乗ってきましたよ。

 

好きな空港論、乗った乗り物の話は書いたらキリがないですが、何が言いたいかといいますと、

そんなわたしにとってシベリア鉄道は憧れだったわけです。

どんな仕組みなのか、どんな人たちが乗っているのか、どんなものを食べるのか、どんな風景が見れるのか、どんな出会いがあるのか!

 

さて、まずは車両について書いていきましょう。

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車両は進行方向側前方の連結部にはスタッフの部屋と給湯器があり、そこでお菓子やインスタントの食べ物を少しだけ販売しています。

後方にはトイレが二つあります。

車内のつくりは中国からの電車と似たようなもので、進行方向に向かって通路の左側には縦に上下二段のベッドがあり、昼間は下のベッドを畳むと椅子とテーブルになります。

通路の右側には横向きにベッドが並び、上下計4つのベッドがひとつのコンパートメントを形成しており、中央窓際にテーブルがあります。

 

 

カーテンなど仕切りは一切ありません。

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なので、同じコンパートメントの人や近くの人らと気が合えば、寝食を共にする、さながら合宿所のような居心地の良い空間になります。

わたしのコンパートメントの人たち(シェアハウスで言うシェアメイトみたいな存在)は、どうやらこの車両の中でも目立つ人たちだったようで、例えて言うならばクラスの中にいるガキ大将みたいな感じ。

電車内は禁煙ですが、しょっちゅう煙草を吸いに車両の連結部まで出掛けていたし、大きな声で笑いながら話すし、他のコンパートメントの人たちも私たちのところまで来て話したりお茶を飲んだりと、いつもにぎやかでした。

スタッフもしょっちゅう注意していましたし(笑)

他を見てみると、いつも寝ている人や静かに読書をする人、一人でぼんやりしている人も見かけたので、わたしのところが特別にぎやかだったのかなと思います。

同じ車両にいた外国人はわたしとフランス人カップル、それと中国人のおじさん二人組だけでした。

フランス人カップルとは席が離れていたこともあり、あまり話はしなかったですし、中国人二人組は英語が全く話せなかった(ロシア語も)のでなかなか交流できませんでした。

なので自然とガキ大将シェアメイトたちを筆頭に、たくさんのロシア人と仲良くなりました。

 

わたしのロシア人のイメージは、無表情で冷たい、恐いというものでしたが、同じ車両で過ごした人々はみんなとても優しく、ロシア語がわからないわたしをいつも気にかけてくれました。

中には初めて日本人と話すという人もいて、珍しがられました。

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片言の英語が話せる人を通して会話に入れてくれたり、ロシアのカードゲームを教えてくれたり、お茶やごはんを一緒に食べたり、停車駅でご馳走してくれたり、 一緒にビールとウォッカを飲んだり(車内は本当は飲酒禁止です笑)、書ききれないほど、たくさんのことをしてくれました。

人によって乗車駅や降車駅が違うので、車内のメンツは変わっていくのですが、素敵な出会いが続いた楽しい時間でした。

変わり映えしなくて退屈なことで有名なシベリア鉄道ですが、わたしにとっては思い出深い時間の一つです。

 

車内には停車駅と停車時間が書かれた予定表が貼ってあり、それをチェックして次の停車駅を心待ちにする、といった感じです。

ロシア国内には11のタイムゾーンがあり、最大の時差が10時間ありますが、この停車時間というのはすべてモスクワ時間で書いてあります。

各停車駅にある時計もモスクワ時間に設定してあります。

なので、例えば停車時刻が朝の4時と書かれていても、実際到着したときの現地時間は午前9時だったりするのです。慣れないととてもややこしい。

しかし徐々に時差がなくなってモスクワ時間に近づくと、「あぁついに、モスクワ時間!」と移動距離をしみじみ感じることができます。

 

停車駅に着くと、各々外へ出て散歩をしたりwifiを探したりします(ないことが多い)が、まずは売店へ行くことが多いと思います。

駅によっては名物のピロシキや魚の燻製を売る売り子さんがうろうろしていますが、いない場合は駅のキオスクへ。

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停車時間は長くても20分程度なので、キオスクに行って水を買って食料を調達して、ちょっと歩いて駅を見て回って、とすぐに発車時刻になります。

そしてまた次の駅をチェックするという繰り返し。

車窓は素晴らしく美しいとまでは言えないけれど、ロシアらしい針葉樹林と雲の多い青空を眺めて、お茶を飲みながら心行くまでぼんやりできるのは、結構贅沢かもしれませんね。

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