憧れのシベリア鉄道な日々・後編


シベリア鉄道の車内では何を食べているのか?

 

長く電車で過ごすことがわかっているひとは、それなりの食料と水を持ちこんでいます。

パンに始まり、お菓子、缶詰、お茶、ジャム、インスタント食品などなど。人によってはお酒も(禁止されていますが)。

車内でも少しだけ食べ物を売っていますが、食べ物調達は駅停車時間のメインイベントとなるので、そこで買う人が多いです。

その土地ならではの食べ物を売る売り子の話は前回しましたが、キオスクにもハムやチーズ、サンドイッチや揚げ物などいろんなものが売っているので見て回るのも楽しかった。

わたしがハマったのは、これ。

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お湯を入れてかき混ぜてしばらく置いておくと食べられる、味付きマッシュポテト。美味しーい。

いろんな味があって、ポテト好きには必須アイテム。

そしてこれ。

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サーモンと白身の魚(何かわからず・・)のオイル漬け。

電車に乗る前にスーパーで買いましたが、確か300円前後だったと思います。

パンと食べると美味しい!ロシアは魚が安くてしかも美味しかった。

 

車内で飲む物と言えば専ら紅茶でした。

ジャムを入れて本場ロシアンティー!と、思っていたけど、彼らいわくそんな飲み方は一部の人だけだ、と。

だけど、その後しっかり紅茶にフランボワーズのジャムを入れてましたが。

 

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さて、そんな車内で良く見かける光景があります。

乗客は、当然ながら降りる場所も乗る場所もそれぞれ異なり、出会いと別れが繰り返し訪れます。

ロシア人(には限りませんが)は見知らぬ者同士でもすぐに打ち解けるので、一人で長い距離の移動をする場合でも簡単に旅仲間が出来ていました。

新しい出会いを自然に受け止め、食べ物を分け、話をしながらカードゲームをし、時が来ればさらりと別れる(別れの場面は私から見るとかなりドライに見える)。

日本人同士の場合、出会いの時点ではまだ遠いところにいる相手との距離が、徐々に近く濃くなっていき、別れの場面で親近感は最大となるように感じます。

電車の中で見たロシア人同士の距離は、出会って少し話した時点ですでに旧友のような仲になり、それが別れまで続き、そのまま「またね」と別れる。

どちらがいいとか悪いとかではなく、ただただ文化の違いだなと思いました。

 

以前はそんな場面に出くわすと、海外と比べて日本の文化や習慣は、すべてにおいて時間がかかるし、相手を意識した形式ばったもので、ダサいような(笑)気がしていました。

そんな日本の文化や習慣が自分の性格や悩みにも影響していて、もし海外で産まれ育っていたら、それらの悩みはすべて存在しなかったのではないか?

海外=優、日本=劣である、となんとも狭く短絡的に考えていました。

今のわたしの考え方、捉え方は、文化の違いはそういうもの、傾向としてただ存在するものであり、優劣ではない、と思っています。

日本の文化も好きですし。

自分の性格や悩みや何となく上手くいかないことというのは、

日本(人)だから、外国(人)だから…という場所や文化から生じているのではなくて、自分から生じているもの。

わたしにはわたしのペースとやり方があり、それがわたしである、という、なんというか、自分の存在に対する自信みたいなものが、以前は欠けていたんだろうなと思うのです。

実際、自分のコミュニケーション方法は、対外国人であっても日本流であるし、それがしっくりきます。

周りのロシア人のようになろうと、頑張って距離を縮めようものなら、途端に息苦しくなる。

今、目の前で見知らぬ者同士が急速に打ち解けていくロシア人たちを見ても、焦ったり、羨ましかったり、寂しかったり、悔しかったりせず、ただ、「ロシア人てこういうコミュニケーションをとるんだ」と思えます。

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モスクワに近づくにつれて車内は混雑し、乗車してくる人たちもビジネスマンや仕事で移動中であろう女性などが増え、車内の雰囲気はやや固いものへ変わっていきました。

わたしはそれまで仲良くしていた人たちがいるコンパートメントに居続け、話をしたりお茶を飲んだりして最後の夜を過ごしました。

朝起きるといよいよモスクワに到着です。