張り切って3泊4日を充てたローマ観光ですが、結果的にわたしにとっては1~2日で十分でした。
なぜかと言えば、ローマは世界的に有名な観光地なので、当然ながらどこに行っても世界中からの旅行客、ひと、ひと、ひと。
どこも混んでいて並ばなければならず、押し合いながら目当ての物を見て写真を撮って、次へ向かう。
まぁ、わたしもその中の一人なんですが…。
どのレストランに入っても、お土産屋さんや美術館に入っても、英語表記があり、スタッフの方は英語が話せて、バスや宿泊施設も多くて観光しやすく整っています。
便利だけれど、わたしが好きなのは、混沌さとか不便な場所を自分のテリトリーにしていく感じとかそういったもの。
物価が高いことも行動範囲を狭めてしまうことになり、気持ちが上がらない一因になってたかもしれません。
どの教会も天井や細部まで手の込んだ素晴らしい装飾、
どの広場の噴水にも手の込んだ彫刻(不思議な動物とともにポーズをとった半裸の男性の鼻の穴から水が出るなど、センス抜群過ぎて笑えてしまうが)、
と見どころ盛り沢山なのですが、どうも「ローマに来たなら見とかないと」という義務感を感じてしまう。
そんな中、ヴァチカンの観光は楽しみにしていた場所の一つでした。
有名すぎる大聖堂も礼拝堂も壮大過ぎて、そしてとても混んでいて、
そのときのわたしにはそれらが心に響くまでに至らなかったのでした。(今見返すとやっぱりとても美しいけれど)
サン・ピエトロ寺院は荘厳で圧倒的。
混雑する中でも熱心に祈りを捧げる人の姿を眺めながら、ミケランジェロの有名なピエタ像を遠目から見学。
ヴァチカン美術館はとっても広く、彫刻からタペストリー、絵画、フレスコ画などなど有名な作品もたっくさん。
美術の教科書で見たことがある「最後の審判」「アテネの学堂」などの本物を目の前にすると不思議な気持ちでした。
天井画が素晴らしくて上ばっかり見ていました。
見所はたくさんあるので時間をかけて回りたいですが、なんせいつも混んでいるので空いた時期を狙うとゆっくりできるので、芸術の世界に浸れそうです。
最後はこの二重螺旋階段を下って美術館を出ます。おぉ現実へ戻される。
そんな世界的観光地でわたしが最もときめいた場所は、名前も知らない路地でした。
決して広くない、洗練されているわけでもない通りに、
いくつものレストランやカフェやジェラート屋が並び、
観光客や地元のひとが外のテーブルに集って飲み食いしている普通の路地。
角を曲がると奥の通りには植物で覆われた不思議な一軒があったり、窓辺にマリア様の絵が掲げてあったり、ウエイトレスの若い女の子が暇そうに欠伸していたりする。
全てがなんとなく薄茶色で、もったりした雰囲気でしたけど、それがすごくよかった。
どうも気分が上がらない中で、もうひとつ助けになったのは、宿で会った人たちがみんなフレンドリーで面白かったこと。
ニュージーランドから来た大柄な姉妹、イギリス人の若い女の子、オーストラリア人の気さくな男の子、インド系のオーナーなどなど。
みんなで安いワインを買って飲んだり、ジェラートを食べに夜中に出かけたりと、旅人同士というよりはシェアメイトのような感覚で気楽でした。
最終日は遺跡系を巡って、次の町へ移動します。