前回の最後に「賑やかな町の夜を後にして…」と、美しく書きましたが、
実際はむっちゃくちゃうるさいです。
何がうるさいのかというと、爆竹。
ディワリの時期の爆竹はインドの大気汚染の一因とも言われるくらい、尋常じゃない量になるらしい。
バラナシの狭い路地で、しかも到る所で、早朝から夜中まで一日中ずっと爆竹が鳴り響いているのです。
狭い路地なので反響してものすっごくうるさい。すぐ近くでやられると、しばらく耳が聞こえないくらい。
バラナシのディワリをもっと見てみたかったですが、
爆竹の音が本当に嫌だったので町を離れられてよかったという気持ちも強かった。
インドの電車はいつでも、どこでも混んでるので、ディワリというイベントがある今日はまた格段に混んでいるんじゃないか、という恐怖をかかえて該当の電車に乗り込むと、拍子抜けするくらい空いていました。
空いているというか、車両には誰もいない。間違った?
しばらくすると陽気なスペイン人の女性がやって来て、お互いに行先や席を確認したりしました。
がらんとした車両なのに指定席は我々と隣の席。
若干の不安を抱えながらも、行き先も合ってるし大丈夫そう、と確認してると定時で電車が動き出しました。
インドで定時て!
と驚愕しながらも、ディワリのお祝いで花火が打ち上がる遠い街並みを車窓に見ながら過ごしました。
スペイン人の彼女は颯爽と蚊帳を出して眠りついてました。賢い。
人が少なくて風通しが良すぎる車内は涼しいどころか寒いくらいで、友人は体調不良をぶり返していました…。
暑い国の温度調整って難しい。
早朝に到着したカジュラホはバラナシやニューデリーと比べると小さな町。
愛の彫刻が有名なヒンドゥー教寺院群があることで有名です。
それはそれはエロティックで直接的な表現の精巧な彫刻がずらりと並ぶ寺院であります。
遺跡群は広い公園のようなところ。ぽつんぽつんとあるそれぞれの寺院が彫刻で埋め尽くされているのが近づくとわかります。
ガイドブックでこの寺院群のことを知り、話題性があるのと興味本位で立ち寄ったのですが、
すかっと晴れた青空のもと、圧倒的な数の彫刻や寺院を目の前にするとエロさは感じないものなんですね。
神聖な儀式を現したもの、とまでは感じられなかったけれど、
寺院内のひんやりした薄暗い中にある彫刻にはちょっとぞっとするくらいの神聖さと妖艶さを感じました。
カジュラホは小さな町なので普段はそれほど賑わうこともないのでしょうけれど、訪れた日はディワリの最中。
賑やかな音と声(歌?)とともに、男性たちは手に大ぶりなクジャクの羽根を持って休みなく踊っています。
踊るというよりはパレードのような、数人のグループがクジャクの羽を空へ突き上げながら、
かなり高いテンションで叫びながらぐるぐる回り、しばらくしたら少し進んでまたぐるぐる回る、を繰り返す。
それをたくさんの人たちが囲みながら見ているので、道は人であふれている状態。すごい熱気。
うわー、これ、一緒に踊れないかなーとか言いながら友人が近づいて行くと、全員興味津々でこっちを見て集まってきた。
で、囲まれた。写真に写るときはみんな真顔のインド人。
踊り続けなくていいの?
こんなところで意外にもディワリを間近で感じられて満足。
カジュラホを後にして、大都会ニューデリーに戻ります。