おとぎの国の素顔


プラハから向かったのは、ポーランド西部のヴロツワフ(wroclaw)という町。

今回も、エストニアからラトビアに移動する時に利用したLUXという会社のバスを利用し、5時間の移動です。

各座席に設置されたパネルで映画が見れてインターネットもできるし、トイレもついていてコーヒーも飲み放題という快適なバスなんですよ。

あまり聞き慣れないヴロツワフという町に行こうと思ったのは、

その先のクラコフという町までプラハから一気に行くには遠くて時間がかかるのと、もうひとつくらいポーランドの町に寄りたかったから。

クラコフはアウシュヴィッツ強制収容所の見学に行く際の最寄りの町です。

ウィーンの最後の夜に、宿で会った日本人の旅行者からアウシュヴィッツの話を聞いてからというもの、絶対に行くべき場所と決めていました。

ポーランドに来たのは、アウシュヴィッツに行くために来ました。

 

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到着したのは夜。

またもやってしまった、新しい国に夜到着の悲劇。

予約した宿を探すため、迷わないようにと何度もGoogle mapで確認して進んだはずなのに、行く方向はどんどん人気がなくなっていくし、目印の通りも見えてこない。

焦って探すと目的地はなおさら遠く感じる。

周りは週末の夜にパーティやクラブへ向かう着飾った華やかな人々。汗だくでバックパックを背負って黙々と歩いている自分がなんだか惨めに感じる。

なぜか相当遠回りをしたり来た道を戻ったりしながら、やっと辿りついた宿は看板も目印もなく、ビルのインターフォンの脇にそっと宿の名前が書かれているだけ。

これは迷って当然だなーと自分を慰めてなんとかチェックインしました。

 

宿から歩いてすぐの場所にある旧市街広場は、まさにおとぎの国。

今まで見たどの国の旧市街地よりも建物は色鮮やかで可愛らしく、よく整えられた隙がない広場で、どこを切り取っても絵になります。

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だけど同時に、人々の生活感というものがなく、広場全体がテーマパークのような、よそ行きのすました顔をしている気がする。

広場を通りぬけて町の北側へ進むと川があり、川の支流の間にはいくつもの島があります。

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このあたりまで来るとミサへ向かう人々や(この日は日曜だった)散歩をする人がいたり、スーパーや商店が並んだりと徐々に人の生活が見えてきます。

観光地や大きな通りからちょっと外れると見えてくるのはこの国、この町の本来の顔。

傾いた標識や壁の落書き、舗装が完璧でない道路、教会の施しに並ぶ人々。

恐らく、これがヴロツワフの素の顔なんじゃないかな。

ずっと馴染みやすく、だけど外国人にとっては近寄りがたく、絵にはならない普通の、淡々とした現実、日常の風景。

それが垣間見えたことで、安心してあの広場を受け入れられるように思ったのです。ここはこの町の一面であり、全てではない。

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もうひとつ、感じたのはこの町の人の敬虔さ。

これはポーランド人がそうであるのか、この地区が特別そうだったのかはよくわかりませんでしたが、ミサに参加する人はとても多かったです。

大きな教会でも満席で立って参加している人はもちろん、入口付近まで人が溢れている状態。

雰囲気も神聖で真剣なので、キリスト教徒でないわたしはとても居づらい空間でした。

カルト的な恐ろしい雰囲気というのでなく、祈りを捧げる人々に少しでも空間を譲らなければと思わせる雰囲気。

義務で来ている感じがしないと言いますか。

特別な宗教を持たないわたしはただただ感心しました。

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ミサ前の静かな教会内